くれなゐの雑記

例を上げて 自分で手を動かして学習できる入門記事を多めに書いています

【日記】VTuberとして活動してきて1年ちょっとを振り返る。

この記事について

今セキュリティ・キャンプの講義資料を作っているところなのですが、親知らずを抜き、とても痛くて辛くてそれどころではないので、気を紛らわせるために書いています。 特に伝えたいなにかがあるとかそういったものではないので、気にしないでください。

どうしてVTuberとしてデビューをしたのか

おそらく競技プログラミングやCTFなどの競技性の強い趣味を持つ多くの人が同じ悩みを持っていると思うのですが、大きな理由はあらゆる趣味が「停滞したこと」だからです。 ある程度努力をすれば上位n%以上になることはできますが、順位が決定する競技でn%を維持するためには、n%以下の人より強くあり続けなければなりません。

基本的に過去の問題も蓄積されますし、私のような技術をアウトプットする魔女もいるので「自分が勉強した絶対的な量は増えているにも関わらず、相対的な順位は変わらない。」ということはしばしばあります。むしろ、学習環境が整備された後発の人のほうが勉強量は少なく同程度の水準の知識をみにつけることができるので、その歴が長い人からすると今までの苦労がいともかんたんに乗り越えられ、心が折られることもあるでしょう。

受肉以前は競技プログラミングをメインで活動してきましたが、この相対的な評価に耐えることができなくなってしまい、なにか絶対的な蓄積を得られる趣味を始めようと考えました。

そうこう悩み続けて1年ほど、VTuberというジャンルが僕たち一般人にも手に届く距離にあることがわかりました。しかしなかなか踏み出すことはできず、考えていたところVTuberの鈴原るるさんが魔界村をクリアしているのを見てなんとなくデビューを決めました。

3日ほどで絵を書きモデルを作り、とりあえず動画作成の練習に、周りからすごいと言われているVimを動画にしようと実践的Vim入門を6つ制作し、その後CTFや競技プログラミングの動画を出していきました。 

教育系動画について

多くの人が言及しているように動画より書籍のほうが良いという人が多いことは把握しています。 自分もかつては同じ意見でした。

動画は書籍とは違いシークをすることはできません。 ブログ等と違って修正を加えることが困難です。 同じ内容でも圧倒的にアウトプットにコストが掛かります。

しかし動画教材はまだまだ数が少なく、踏み込む余地があると考えてアウトプットをはじめました。実際、 Zerologonの動画は論文に書いてある内容を動画で要約しただけにも関わらず、多くの反響をいただけました。同程度の内容を文字でまとめたわけではないのですが、やはり動画で伝えることのポテンシャルを感じた瞬間でした。 www.youtube.com

実際、論文だけだとわかりにくいものもカンファレンスのプレゼンテーションや先生の授業を聞くとよく分かることも多々あるので、それらをうまく組み合わせることで最高にわかりやすい教材が作れるのではないかと思っています。

さらに、昔に比べて4Gの通信環境も充実し通学時間にも動画が見れるようにもなってきました。そうした背景から今後も動画コンテンツはより気軽に見やすい世界になると思いますし、それを有効活用できる準備を今のうちに進めておいて損はないと思っています。

これまでの活動の振り返り

初期の動画のコンセプトは腐らない技術を紹介し、今後も残り続ける動画を作ることでした。 やはり初期の動画は長いことお世話になるので、できるだけ基礎的な話を心がけています。 その甲斐あってか初期の乱数の次の値を予測するなどは未だに再生数を伸ばし続けるコンテンツになっていますね 👍

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動画を出しつつ、様々なフィードバックを受け、動画にも様々な変化をつけてきました。(どう変化をつけてきたかは秘密です😉 セキュリティ・キャンプのネタにするので。)わかりやすいところだと初期からフォントは変わってますね。VTuberの人気の切り抜き動画やテレビを見ながら見やすい字幕を探して編集コストが少ないものを今は採用しています。

そんなこんなで活動していると動画を視聴くださってる人間の皆さんが宣伝等していただいたおかげで、1年目に1000チャンネル登録者数を迎えることができました。正直始めた当初はマックスで1000だろうと思っていたので当時はとても驚いた記憶があります。(今ではもう1600チャンネル登録者数ですね)

とはいえ、同じ活動をしているだけでは同じ人しか視聴せず、なかなか技術が広まらないことに気づきました。また、このまま活動をし続けているとチャンネル登録者数は線形以下にしか増えず、きっとこのままつまらない成長をしてしまうのではないかと感じました。やはり1000チャンネル登録者数を達成したら次は2000ではなく10000を目指すべきです。

2年目はなにか変化をつけようとして取り組んだ活動が kurenaifChallenge であったり、魔女のお茶会であったりするわけです。1年目には知名度がなくてできなかった他人を巻き込んだ活動を2年目では実施しています。他人を巻き込むことで、より広く、より多くの人に技術を広められます。そしてチャンネル登録者数も増やせるわけです。 新しいことをするとやはりうまく行かないこともあるかとは思いますが、そっと見守ってくれると嬉しいです。次は初めて動画をプレミア公開して一緒に見てみる試みもしてみます。みんな見てくれるといいな

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これからの活動について

普段の勉強用の動画の頻度は少し落ちるかもしれませんが、コミュニティ運営も少し手を出していきたいと思っています。疲弊しない程度のうまい頻度で勉強会を開催したり、CTFをやってみたり、1年目ではできなかった人を巻き込んだ活動を少しずつ進めていきたいと思います。 今でこそほとんど暗号の動画ばかりですが、様々なジャンルの深い知識がアーカイブされると嬉しいですね。それは3年目の目標です。

未来のことはよくわからないので、今掲げてる目標はこれだけです。チャンネル登録者の目標もありません。疲弊しちゃうからね

え?さっき10000を目指すって言ったじゃないかって? 確かに目指してはいますが、目標としてはおいていません。こういった活動を通じて、副次的に達成できたら嬉しいねという感じですね。

動画を上げ始めて変わったこと

やはりYouTubeにはランキングが存在しないことはとても良く、かつて相対的な評価によって疲弊することも少なくなりました。横を見渡すと自分よりチャンネル登録者数が多いセキュリティ系のYouTuberはたくさんいますが、やはり数よりも自分の前提知識の要求水準の高いレベルの動画を1600人の人が見てくれるという事実を嬉しく思います。だって1600人ですよ!?すごくないですか!?魔女のお茶会とか同時接続者数200人とかですよ!? 今ではこの数と動画の評判に心を支えてもらっています。

また、こういったアウトプットを繰り返すことで友達がたくさん増えました。自分と同水準以上に暗号を話せるととても嬉しいですし、理解も深まります。日本のいろんなCTFチームとの知り合いができからこそ、魔女のお茶会があれだけたくさんのチームに登壇していただけたのだと思っています(単純にあの手の勉強会が最近少ないのもあると思いますが)。チーム横断で知見を共有する機会を今後も増やせればいいですね。

そうして人の繋がりができた結果、セキュリティ・キャンプの講師も任せていただけるようになりましたし、まだ言えないですが他にも色々kurenaifの名前が刻まれることも増えました。以前の自分だとありえない話ですね

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終わりに

そろそろ歯の痛みが収まってきたので終わりとします。まだ夕ご飯を食べてないので、これから食べます。魔女もご飯は必要です。

もし、この動画をみて自分も動画投稿を始めてみようかなと思った人は、チャンネル登録者数がほとんど増えない可能性があることを覚悟してください。僕も6ヶ月程度数十人程度のチャンネル登録者数でした。他人の考えることはよくわかりませんし、チャンネル登録者数が増えるかどうかはかなり運に依存すると思っています。他人に依存する指標を目標にしてしまうと確実に心を壊してしまうので、1000チャンネル登録者数とかを目指さずに、「前よりチャンネル登録者数が増えた」「再生時間が増えた」などといった上がりやすい指標でもって自信をつけていきましょう。学業やお仕事で忙しいのに、趣味で心を壊してしまっては意味がありませんからね。

あ、よかったらチャンネル登録もよろしくおねがいします。

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それではまた、次の動画でお会いしましょう。今日の夕御飯は何にしようかな 熱いものだとまた痛みが…